似てるようで意外と異なる?喫茶店とカフェの違い

みなさんは喫茶店とカフェの違いって御存知でしょうか。
一般的にレトロな雰囲気やアンティーク調の家具や食器が並ぶのが喫茶店」、反対に、「店内が明るく開放的な雰囲気のものがカフェ」というようなイメージを持つ方が多いと思われますが、実はこの二つの違いはそんなに単純ではありません。
今回は、そんな似てるようで違う両者の違いを解説していきます。
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喫茶店とカフェで異なる営業許可
「食品衛生法施行令第35条」で定められている営業許可業種34業種のうち、喫茶店やカフェに関係する営業許可には「喫茶店営業」と「飲食店営業」があり、それぞれ以下のように定められています。
飲食店営業
・酒類の提供可能
・調理全般可能
喫茶店営業
・酒類の提供不可
・調理は基本的に不可

喫茶店を開業するには「喫茶店営業許可」が必要ですが、建物を清潔にしていて衛生的に保管できる場所があり、給水や汚物処理がしっかり分けられていることなどの条件をクリアできれば下りるため、個人でも取得へのハードルは高くありません。
そうした理由からか、昔からの喫茶店には個人経営のところが多いようです。

ただし、喫茶店では基本的に店内調理が認められていないため、必然的に提供できるものは、飲み物とケーキのような菓子類が多くなります。
一方のカフェの開業には、「喫茶店営業許可」よりも条件の厳しい「飲食店営業許可」が必要となります。
これは、店内でアルコールの提供や、調理が許可される分、「冷蔵設備」「洗浄設備」「給湯設備」「客席」「客用トイレ」などの設備要件がより厳しくなっており、許可取得へのハードルが大幅に上がります。

その分、カフェでは喫茶店メニューに加えて食事やアルコールなども提供できるため、メニューを充実させることで他店との差別化を図ることも可能です。
おわりに
いかがでしたか。
喫茶店とカフェの違いについて、イメージだけではなく、法令上の違いについても見てきましたが、実はこれらの許可はあくまでも営業形態としてどちらを選ぶかという問題に過ぎません。
法令上の営業形態と店舗の名称を必ずしも一致させる必要はないため、例えば「喫茶店」を謳っているお店であっても「飲食店営業」の許可を取っていればお酒やご飯の提供をしても特に問題はないですし、逆に「カフェ」であっても取得している営業許可が「喫茶店営業」であればアルコールや食事の提供は出来ません。
もしあなたが喫茶店やカフェを訪れた際に、そのお店がどちらの許可を取得しているのか見分けたいのであれば、メニューの内容に注目してみるのも面白いかもしれませんね。